2要素認証 (2FA)とは?

2FA(二要素認証)とは、セキュリティ強化のために二つの異なる認証方法を組み合わせて使用する認証手法です。通常、これには何かしらのパスワードやPINコード(知識要素)と、ユーザー自身が所有するもの(所持要素)やユーザー自身の生体情報(生体要素)など、二つの異なる要素が必要です。2FAは、不正アクセスからアカウントを守るための効果的な手段として広く採用されています。また日本の一部の企業では、「2段階認証」として表記されている場合があります。厳密には、2段階認証は、2SVと表記され異なります。

2要素認証の要素

二要素認証(2FA)の要素は主に3つありますが、セキュリティを強化するために2つの異なる認証要素を組み合わせた手法になります。
そこで、どんな要素があるのか種類をご紹介します。

知識要素(Something you know)

知識要素は、ユーザーが記憶している情報に基づく認証方法です。最も一般的な例はパスワードやPINコードですが、セキュリティ質問への答えや特定のパターンなど、ユーザーだけが知っている情報もこれに含まれます。この要素の強度は、情報の複雑さや予測不可能性に依存します。しかし、強力なパスワード管理の実践が欠如している場合、またはフィッシング攻撃によってこの情報が盗まれると、セキュリティが脆弱になる可能性があります。

所持要素(Something you have)

所持要素は、ユーザーが物理的に持っているものに基づく認証方法です。これには、銀行のATMカードのようなスマートカード、セキュリティトークン、あるいはスマートフォンに送信される一時的なコード(SMSや認証アプリ経由)などが含まれます。所持要素は、単に情報を知っているだけではなく、実際にユーザーが特定のデバイスを持っている必要があるため、セキュリティを強化します。ただし、デバイスを失くしたり、盗難にあったりした場合、アクセスが困難になる可能性があります。

生体要素(Something you are)

生体要素は、ユーザーの生体的特徴に基づく認証方法です。指紋、顔認証、虹彩認証、声紋認証など、個々の固有の生体的特徴を使用して身元を確認します。生体要素は、複製が難しく、ユーザーが常に携帯しているため、非常に強力なセキュリティオプションを提供します。しかし、生体認証システムは、誤認識や機器の精度に影響されることがあり、プライバシーの懸念も生じます。

位置情報要素(Somewhere you are)

位置情報に基づく認証要素です。一部のアプリやサービスでは、特定の地域にいるユーザーだけがアクセスできるよう制限されています。
この仕組みは、ゼロトラストセキュリティ環境でよく使われています。

二要素認証(2FA)と多要素認証(MFA)の違いは?

二要素認証(2FA)は、二つの異なる認証要素を組み合わせて使用するセキュリティプロセスです。これに対して、多要素認証(MFA)は二つ以上の認証要素を使用し、より高いセキュリティレベルを提供します。簡単に言うと、2FAはMFAの一種であり、MFAはセキュリティをさらに強化するために、2FAよりも多くの認証ステップを要求することができます。
詳しくは、こちらの記事をチェックしてください。

2要素認証と2段階認証の違いは?

二要素認証(2FA)では、ユーザーが自分自身を証明するために、異なる種類の二つの認証情報を提供する必要があります。これらの情報は、ユーザーが知っていること(例えばパスワード)、持っているもの(例えばスマートフォン)、またはユーザー自身の生体情報(例えば指紋)から来るものです。つまり、2FAでは、セキュリティのために全く異なる二つのレイヤーを使用することが求められます。これにより、認証プロセスは非常に堅牢になり、一方の認証情報が妥協されたとしても、もう一方が依然としてアカウントの安全を守ることができます。

一方で、二段階認証(2ステップ認証)は、ユーザーが自分の身元を証明するために二つの異なるステップを踏む必要があるプロセスです。これらのステップは必ずしも異なる種類の認証情報を必要とするわけではありません。例えば、最初のステップでパスワードを入力し、次に携帯電話に送信される一時的なコードを使用することがあります。ここで重要なのは、二段階認証が単に二つのプロセスを要求することであり、それらが異なる種類の認証情報である必要はないという点です。

特徴2要素認証(2FA) 2段階認証(2SV)
認証要素の種類2つの異なるカテゴリーからの認証要素が必要。
例: 知識要素(パスワード)+ 所持要素(スマートフォン)
2つの認証ステップが必要だが、異なるカテゴリーからである必要はない。例: パスワード + SMSコード
セキュリティレベル 高い。異なる種類の認証要素を組み合わせることで、セキュリティが強化される。中〜高。2つのステップを踏むことでセキュリティが向上するが、2FAほどではない場合がある。
目的不正アクセスを防ぐために、より強固なセキュリティ層を提供する。 ユーザーが自分の身元を2回証明することでセキュリティを向上させる。

二要素認証(2FA)の実装方法

二要素認証(2FA)を実装するための方法は様々あり、各方法はユーザーのニーズやセキュリティ要件に応じて選択されます。以下に、一般的な2FAの方法などがあります。

1. SMSベースの認証

SMSベースの認証では、ユーザーがログインを試みると、サーバーからユーザーの携帯電話に一時的な認証コードが送信されます。ユーザーは、この認証コードをログインプロセス中に入力する必要があります。この方法のメリットは、ほとんどのユーザーが携帯電話を持っているため、容易に実装できる点です。しかし、SMSメッセージの傍受やSIMカードのスワッピング攻撃によるセキュリティリスクも存在します。

2. 認証アプリを使用した方法

認証アプリ(例:Google Authenticator、Authy)を使用した2FAは、SMSベースの認証よりも安全です。この方法では、ユーザーはスマートフォン上の認証アプリを使用して一時的な認証コードを生成します。ログイン時には、このコードを入力する必要があります。認証コードは数十秒ごとに変更されるため、安全性が高まります。また、インターネット接続が不要であるため、オフライン環境でも使用できます。

3. 物理的なセキュリティキー

物理的なセキュリティキー(例:YubiKey)を使用すると、ユーザーは特定のUSBデバイスやNFCデバイスをコンピューターまたはスマートフォンに接続することで認証を行います。この方法は、フィッシング攻撃に非常に強いとされています。セキュリティキーは物理的な所有物であるため、不正アクセスのリスクを効果的に低減できますが、キーを紛失するリスクも考慮する必要があります。

4. 生体認証

生体認証は、指紋、顔認証、虹彩認証など、ユーザーの生体情報を使用して認証を行います。この方法は、ユーザーにとって非常に便利であり、高いセキュリティを提供します。生体認証は、モバイルデバイスや一部の最新のコンピューターで広くサポートされています。ただし、生体情報の変更が不可能であるため、情報が漏洩した場合のリスクも考慮する必要があります。

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